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買って、作物を作るわけです。その収入は大半が農民に帰属し、いわゆる農業的な投入材に使われるわけです。種を買ったり、農業普及改良などのインフラにもっぱら使われているはずです。
インド政府の農業分野に対する支出としては補助金もあります。現在、自由化が導入されて、原則的に補助金を廃止しようとしています。現在、補助金は本当に限定された北東部の地域に限られています。それも遠隔地に種子を運ぶのが大変だということで、そこに補助をつけています。そして肥料にも若干、補助をつけています。場合によっては、非常に金額が高いということで、コスト補助をしていますが、機械、マーケティングなどには、補助金はありません。ただ援助はしています。たとえば、1キンテル当たり、200ルピーをコストにすると、100ぐらいのマージンを農業生産者が得られるようにしています。ですから、必ずコストに対する配慮をいたします。農業のコスト、価格を司る委員会がありまして、毎年、農民が行った投資の詳細を吟味して、そして、農民が、収益が上がるような形にその年の価格の仕組みを考えるのです。高い水準で固定しますと、今度は消費者が困りますから、消費者のことを勘案しながら、一方では生産者のためもある程度考えて、バランスをとるような設定をしています。

 

サイッド・ザファール・アリ・シャー議員(パキスタン)
チャッダー先生のぺ一パーにはただただ感服しました。自給自足を達成された。すばらしい。貴国では、食料安全保障対策は十分とられているという気がいたします。しかし、自給自足が無理な国が沢山あり、輸入に依存している国も沢山あります。そういった国はまさに、食料安全保障を必要としています。
自給を達成するうえで3つの要素があると思います。1つが資源、もう1つが人間資源、3つ目が技術です。こういった3つの要素で、1つ、2つが欠けているのが自給のできない国々です。そういう国こそ、まさに地球的な規模でシステムを創り、欠けている要素を補充し、そして、食料安全保障を確保しなければならないわけです。
米とか小麦とかメイズといったものは統合的にアプローチしなければなりません。漁民にしろ、農民にしろ、ノウハウをきちんと得て、そして自分の持てる資源を有効に利用する術を教わらなければならないと思います。
そして、先程おっしゃったようなインフラが必要となります。パイロット・プロジェクトなども必要でしょう。パキスタンにもいろいろな問題があります。主に、2つの問題があります。
1つは、土砂、シルトの問題です。水がシルトの上まで来ると、作付けができなくなってしまう。それから、もう1つ、私の故郷は、地下水にたよらないと農業ができないのですが、100メートルから200メートルぐらい井戸を掘らないと水が上がって

 

 

 

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